Microsoft Works -- Webオフィス化の可能性 

 WEBオフィス戦争に新たな展開だ。なんとマイクロソフトが「Microsoft Works」をオンライン化するかもしれないという。

 「Works」はカレンダー、ワープロ表計算、ブラウザ、メールなどからなるいわば廉価版スイート。しかし、Webベースの無料版をつくるとなると話は別だ。

 マイクロソフトにとって「オフィス」はWindows と並ぶドル箱であり、最後の牙城だ。オープンソースの流れにも強く抵抗してきたはず。

 その一角を崩してまで、無料Web版をつくるかもしれないという。その背景は。

 一つは、マイクソフトと言えども「Web版オフィス」の可能性を否定し得ないと言うことだろうか。

 たしかにここでも紹介しているように、主なオンラインスプレッドシートだけも軽く10を超える。現段階ではエクセルとの機能的な差は大きいが、今後その差がどんどん縮小されていく可能性は十分ある。

 マイクロソフトとしては、デスクトップにこだわり続けて気がつけばこうした流れから完全に取り残されてしまった、という事態だけは避けたいのだろう。

 Webオフィスの分野でもそれなりの地歩を築き、デスクトップアプリとの連携をうたい文句に、牙城を守っていく。そんな戦略を思い浮かべているのかもしれない。

 二つ目は、Google の動き。Web 2.0 の火付け役 Google は同時に、Webオフィスの推進役でもある。Writely.com を買収し、Google Spreadsheets に磨きをかけている。

 Google に大きく立ち遅れているとの印象を一掃する必要性はたしかにありそうだ。近頃のマイクロソフトは「Windows Live」などをみても、対Google戦略に必死だ。

 Webオフィスの分野でも Google には負けない。そんなメッセージが読み取れるようだ。

 今回の一手が、必ずしもマイクロソフトの本意でないことはあきらか。だが、時代の大きな流れにはマイクロソフトと言えども逆らえない。苦渋の選択であったことは否定できないだろう。