Google の理念はどう変わってきたか

 最新の二つのブログは Google の理念の変遷をよくとらえていて面白い。

 一つは、「seside.net」の「Ten Things Google has found to be true 」の分析。


 ⇒ http://seside.net/general/2006/12/15/10-things


 「Ten Things Google has found to be true 」(Google が発見した 10 の事実)とは Google が会社の理念を述べた部分。「Feb 2006」と「Dec 2001」の二つのバージョンを比較している。

 例えば、フッターで触れているように、古いバージョンでは「「Google には、星占いもファイナンスもチャットもありません。」などと書かれていたが、新しいバージョンではこの箇所が削除されている。

 さらに、次の箇所も大きく変化している。

Old: Innovations like Google's spell checker and the Google Toolbar, which enables users to search using Google from any website, make finding information a fast and seamless experience for millions of users.

New: Our dedication to improving search has also allowed us to apply what we've learned to new products, including Gmail, Google Desktop, and Google Maps.


 一方、「Google Blogoscoped」は「Web Search Help Center」のなかの「Does Google censor search results? 」の記述の変化を鋭くとらえている。


 ⇒ http://blog.outer-court.com/archive/2006-12-19-n32.html


 それによると、当初はここで「Googleはいかなる検索結果に対しても検閲しない。検索結果は古い検索結果同様完全に自動化されている。私たちは検索結果に一切手を加えない。」などと記述されていた。

 ところが、最新の記述では「検索結果を検閲しないことはGoogleのポリシーだ。しかし、国の法律や基準、政策によってはそれを行うこともありうる。これらの理由で検索結果を削除した場合はそのことを検索結果を表示するページで明らかにする」と明らかに変化した。

 
 確かに、最近の Google の中国での妥協をなどを見ていると当初の理念が大きく揺らいできていることは感じられたが、それがこんなあからさまな形で表明されていたとは知らなかった。

 しかし一方、こういうことを堂々と表明しているという点で、 Google という会社は結構「正直な」会社かな、と思わせている面もあるなと感じた。


    見た目も変わった Google(1999年のGoogle