Google ブック検索で「有料立ち読み」ができるようになった

 Google ブック検索を通して、読者は著作権の切れた古い書物を中心に、中身を完全に読むことができるようになったことは以前にも紹介した。

 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/husigi/20061122

 いつのまにか各種の図書館との連携し、目的の本がどの図書館で借り出し可能かを即座に調べることもできるようになっている。

 だが、Google ブック検索のスタッフはそれでもまだ満足できないのか、さらに出版社と読者をリンクするもう一つのアプローチに挑戦しようとしている。

 これを「sell online access」という。本来フルビューできない本でも、いくばくかのお金を払えば、オンラインでのみ一時的に本を全部読み通すことができるという第三のアクセス方法だ。

 本を1冊買うほどではない。だが本屋で立ち読みするように本の中身は全部見てみたい。そんな読者に答えようと言うわけだ。いわば「有料立ち読みシステム」だ。

 ⇒ http://books.google.com/support/partner/bin/answer.py?answer=34596&topic=326

 それは出版社や著者からいえば、本を「切り売り」すること。つまり、ブラウザを通してだけ本を一時的に読む権利を切り売りすることを意味する。たとえ本が売れなくとも、切り売りでお金を稼ぐことができる。

 読者は本を買うよりは安い価格で本にフルアクセスしてその中身をすべてその場で読むことができるが、それを一切保存したりハードディスクに記憶させたりすることはできない。

 「sell online access」を通して本を切り売りするかどうかはもちろん出版社側の判断だし、これにどういう価格設定をするかの権利も出版社側にある。

 すでにアメリカやイギリスの Google ブック検索で始まっているサービスだが、日本でも普及するだろうか。