Google Trends

 誰かGoogle を止めてくれ。そんな叫び声が聞こえてきそうな、5月10日の発表であった。なんと「Google Co-op」などの4つの新しいサービスを一挙公開したのだ。

 なかでも「Google Trend」はおもしろい。数年間にわたって蓄積された、Google の膨大なクエリ情報を公開し、利用者がこのデータベースを縦からでも、横からでも、時系列からでも自由に切り刻んでよろしい、好きなだけ持っていってよろしいというサービスだ。

 もちろん、利用者にとって有用なデータを搾り出すにはきっとそこそこの熟練が必要だろうが、また、このデータをどの程度信用するかは利用者のセンスによると思われるが、それでもこうしたデータベースを無料でいつでもいくらでも使ってよろしいという英断にはホント感服する。

 これこそ、「WEB2.0的」の最たるものではないか。そしてGoogle は私たちがこのサービスをどのように利用しているか、どういう比較を好んでしているか、などといったデータを密かに確実に日々蓄積しているのだろう。これが次のサプライズになる、ビジネスになる、ということをハッキリと見通しながら。

 当面の利用の仕方は簡単だ。二つ以上のword をコンマで切って入力するだけ。別に1つのword でも良いが出てくる数字がどの程度の意味を持つのかわからないのでよしたほうがよい。日本語の単語でも入力はできるが、期待した結果は出てこないので注意。おそらく対応していない。

 例を挙げると「NBA,NHL,NFL,MLB」apple,microsoft,google」など。きっと納得できる結果が出てくる。さらにこれを国別、地域別、言語別に重層分解できるので、より鋭いデータに加工できるだろう。

 とにかく、使い方はいま始まったばかり。きっと誰かがとんでもないアイデアを出して、この無料のデータベースから色鮮やかに輝く鉱脈を掴むであろう。Google はその時をじっと息を殺して待っているにちがいない。