Google Notebook  Web のスクラップブック

 WEB 徘徊中に思わぬところでちょっと残しておきたい記事を発見したとき、そのページのブックマークを保存するかわりに、ページの一部を切り取ってすばやくどこかに保存できないか。これが Google Notebook のおそらく最も多い使い道だろう。

 この機能に徹すれば、意外と重宝するかもしれない。かつて新聞をスクラップしっぱなしで、気がつけば紙切れの山。これを整理する前に、面倒くさくなって捨ててしまったとか。無事スクラップブックなどに貼り付けたけど、分類・カテゴリー化しなかったために、後で見る気も起こらなかったとか。

 そう、Webのスクラップブックと考えれば、こんなに強力なものはない。片っ端から切り取ってとりあえず保存。どんどんためる。だが、新聞記事のスクラップと違うのは、「検索」という強い武器が存在すること。これを駆使してちょっと整理してやれば、立派な個人専用の百科事典が誕生する、というわけだ。

 あるテーマにしたがって、蓄積されたデータ、統計、グラフはそれだけで価値があるものなのだ。例えば、新聞サイトによくあるニュースアクセスベストテン。これを毎日毎日切り抜いて、1年分貯めるとそれはもうとても立派な1級資料になる。通常、この数字は月間とか年間単位にまとめて発表されることはあっても、日ごとの移り変わりを追跡したものは存在しないからだ。

 これだけ苦労して貯め込んだデータを個人が自分のためだけに使うのはもったいないではないか。他人に、これの価値を認めてくれる人に役立ててもらいたい、そんな感情が芽生えても少しもおかしくないだろう。そのために Google Notebook は公開できるのだ。逆に他人の notebook を許しを得て利用させてもらうこともOKなのだ。

 移ろいやすく、脆く、陽炎のようなWEBの世界。その瞬間、瞬間をキャッチし、蓄積することの重要性をこのアプリは教えてくれているのではないか。