Wikiversity --もう一つの Wiki プロジェクト
⇒ http://en.wikiversity.org/wiki/Wikiversity:Main_Page
Wikiversity はオンライン百科事典として有名な Wikipedia のグループプロジェクトとして、今年の夏に発足した。まだ、英語版しかないが、Wikipedia 同様順次言語を拡大していくという。
Wikipedia にはない Wikiversity のメリットはなんだろうか。
一点は、ユーザーが何か知りたいと思ったとき、大学の学問分類にしたがって系統的にコンテンツを探すことが出来る点だろうか。
最初に Major portals として、例えば Life Sciences や Social Sciences などが設定されている、その Social Sciences はさらに Economics や Psychology、Anthropology などのサブカテゴリーに分類されてゆく。
大学生などが授業の復習に使うときなど便利かもしれない。彼が今学んでいる学部の名前を思い出せば、そのうち自分が何を求めていたのかわかってくる仕組みだからだ。
もう一点はもちろん Wiki プロジェクトの特性であるが、ユーザーは誰でもコンテンツの作成、編集の権利を持つと言うこと。またある面その義務を負うと言うことだ。
学ぶことは同時に教えることであり、教えることは同時に学ぶこと。それはきっと永遠の真理だと思うが、それを具体化すればこのようなプロジェクトに行き着くのかもしれない。
「edit button」をクリックすると編集画面が現れるので、ここで書き足したり、新たに項目を設けたりして、「save page button」をクリックする。
問題は、意図的な改竄者、悪意あるユーザーによる破壊行為だが、これに対しては、すべての変更行為が記録され、不適切な変更は直ちに除去される仕組みになっているという。
問題点も指摘しておこう。
一点は、例えば、Psychology と Economics のコンテンツの構成が全く異なること。一方は Wikipedia の記事の転用が中心だが、一方は最初の編集者の独自の構想を採用していたりする。
仕方ないこととはいえ、あまりに構成に差がありすぎ、統一感がないので系統立った学問書としてはムリがあるような気がした。
もう一点は、やはり「悪意」を見破ることが難しいだろうと言うこと。誰がどの基準で「廃棄」を決めるのだろうか。ここはしっかりと質したいところだ。
ただプロジェクトは始まったばかり。今後の展開を見守るしかないと思う。